下総羽生村の按摩の宗悦は、旗本の深見新左衛門に貸した金を受け取りに行き殺され、累が渕に沈められる。その夜、宗悦の怨霊が現れ、発狂した新左衛門は妻を斬殺。怨霊に導かれて累が淵で溺死する。それから二十年後、新左衛門の息子・新吉は、江戸の商家で番頭として働き、一人娘お久と恋仲になる。しかし新吉はお久が通う三味線の師匠の豊志賀に口説かれ情を交わしてしまい、それが知れるところとなり、店を追い出されて豊志賀と...